トレースとはどのような作業ですか

図柄のフチをパソコン上でなぞってカットデータを作成する作業です。

 例えばロゴマークのステッカーを製作する場合、パソコンからロゴマークのデータを送るとカッティングマシンがロゴマークの形状にフィルムをカットしていきます。
 封筒や名刺に印刷されたロゴマークからステッカーを製作する場合、まずはスキャニングしてパソコンに取り込みます(図1)。このデータはビットマップデータ(ラスターデータとも)といって、画面を細かいマス目に区切り、マス目の一つ一つに色をつけたものです。拡大していくと(図2)、マス目がはっきり出てきてフチはギザギザ(ジャギーといいます)になります。また、図柄のフチは若干グラデーションをかけてマス目をぼやかしています。
 デジカメ等でロゴマークを写真撮影した場合もこのビットマップデータになります。
 トレースとは、パソコンでビットマップデータの図柄のフチをなぞってベクトルデータを作成することをいいます。ベクトルデータとは、画像を線で表現したもので、拡大しても滑らかです。ビットマップデータのようにギザギザにはなりません。
 パソコンからカッティングマシンに送るデータは、このベクトルデータであることが要求されます。
 パソコンソフトには、ビットマップデータから図柄のフチを自動トレースする機能はありますが、まだまだ「美しい滑らかな線」は抽出できません。カクカクとおれまがったり、突起がでたりします(図3・図4)。書面に数センチ程度で印刷する場合はパソコンソフトがトレースしたロゴマークでもアラは目立ちませんが、そこそこの大きさのステッカーを製作する場合は、やはり、人の手で手動トレース抽出した「美しい滑らかな線」が求められます(図5・図6)。

図1;スキャニング
図2;スキャニング拡大
図3;自動トレース
図4;自動トレース拡大
図5;手動トレース
図6;手動トレース拡大

トレースとは、写真やスキャニングしたものから、図柄の輪郭をパソコンに記憶させる作業です。