フィルムと注意事項

フィルムには様々な種類があり、使用環境に適したものを選ぶ必要があります。フィルム選択のポイントの他、使用に関してご注意いただきたいことをまとめております。

ステッカーを使用される環境等に照らして該当する項目や気になる点がございましたらお伝えください。お客様の使用環境に適した仕様をこちらで選択して製作いたします。

ステッカーを使用される環境が不明な場合は、弊社標準仕様にて製作いたします。

被着面・被着体

問題が生じにくい被着面・被着体
  • 次の条件に当てはまる場合は、被着面・被着体についての特段の考慮は不要です。
    • 平面
    • 平滑な(凹凸がない)面
    • 適切に塗装された鋼板・硬質アクリル板・アルミ板
  • ただし、つぎの場合を除きます。
    • × 特殊なコーティング、フッソ樹脂塗装・シリコン樹脂塗装
    • × 塗膜が脆弱等、塗装不良の場合
特殊コーティング・フッソ樹脂塗装・シリコン樹脂塗装
  • 被着面に、特殊なコーティングや、フッソ樹脂塗装、シリコン樹脂塗装の場合は、粘着不良となる場合があります。
  • フィルムのサンプル(一部有償)をお送りしますので、事前の試験をおすすめします。
塗膜が脆弱な場合
  • 塗膜の密着が悪いと、ステッカーの貼付け作業時に塗膜が剥がれる場合があります。
  • また、貼付け後に塗膜から剥がれることがあります。
  • 適切に塗装された面に貼付けてください
平滑でない被着面
  • 塗装の具合等で凹凸が激しくなっている場合、通常のフィルムでは凹凸になじみません。
  • ステッカーは、凹凸の凸の部分でしか接しておらず、凹の部分では被着面と離れていることになり、十分な粘着力が得られません。
  • 凹凸の程度によっては、凹凸にもなじんでくれる粗面用のフィルムを選ぶ必要があります。
木材やブロック等、水分を吸い込む被着体の場合
  • 木材やブロック等、水を吸い込む被着体にステッカーを貼って屋外で使用する場合は注意が必要です
  • 雨にぬれると、ステッカーは雨水を吸い込みませんが、ステッカーの周囲の木材やブロック等から雨水が被着体にしみこみます
  • しみこむ雨水が多いと、ステッカーの裏側まで雨水がまわりこんで染み出してきます
  • こうなると、ステッカーの粘着面と被着面との間に水分が入り込むことになり、ステッカーは剥がれてしまいます
  • 水分がしみこむ被着体の場合は、貼付け部分から水がしみ出してこないように下地処理が必要です。
ポリカーボネート等の樹脂はアウトガスを発生
  • ポリカーボネート等、樹脂にはアウトガスを発生するものがあります。
  • ステッカーを貼付けた部分でアウトガスが生じると、粘着面から押し上げ、ステッカーはプクッとふくれます
  • ポリカーボネートはアウトガスが問題となりやすく、ステッカーの貼り付けはお控えください。
  • その他、硬質塩ビやABS、FRPも種類によってはアウトガスを発生するものがあります。
  • フィルムのサンプル(一部有償)をお送りしますので、事前の試験をおすすめします。
ポリエチレン(PE)やポリプレピレン(PP)等は粘着力が低下
  • ポリエチレン(PP)やポリプロピレン(PE)等のオレフィン系樹脂の場合は、粘着力が低下し、経年により剥がれる虞があります。
  • 下地処理をして粘着力を高めるか、オレフィン系樹脂用フィルムというのがあります。
2次曲面・3次曲面
  • フィルムの材質は「塩ビ(エンビ。塩化ビニルの略)」が主流ですが、塩ビは経年とともに収縮します。
  • 塩ビのフィルムを曲面に貼ると、収縮により凹部は凸部方向に引っ張られ、被着面から離れようとする力が生じます。
  • 曲面では収縮度合いの少ないフィルムを選ぶ必要があります。
  • 2次曲面追従、3次曲面追従のグレードがあります。
  • また、2次曲面や3次曲面に面積の大きなステッカーを貼るにはコツがいりますので、貼り施工のプロに依頼された方が無難です。
  • 弊社では貼り施工も承っておりますので、お気軽にお問い合わせください。
ガラス面
  • 鋼板等に比べると粘着力は低下します。清掃時にステッカーの端部を強くこすらない等のご配慮をお願いします。
    • ガラスの内側から貼るという方法があります。外側に比べると内側は比較的汚れが少なく、清掃の頻度は少なくてすみます。
  • 窓ガラスに大きく図柄を入れる場合は、シースルータイプ(ワンウェイタイプ)のフィルムもあります。
  • また、直射日光が当たるガラス面への広範囲の貼付は、ガラスの膨張率の差からガラス割れの原因になる場合がありますので、ご相談ください。
ステンレスの場合
  • ステンレスには蓄熱効果があり、屋外で太陽光が常にあたる環境の場合、他の被着体より温度が上がるため、劣化が早くなります。
  • ステンレスに貼って屋外で長期に使用する場合は、より耐候性の高いフィルムをお選びください。
  • ステンレスに貼る場合、透明フィルムや電飾用等、透明度の高いフィルムは避けてください
    粘着剤の早期変色等の問題が生じます。

使用環境・貼付け箇所

屋外・屋内
  • ステッカー用の主流の塩ビフィルムは基本的に屋外耐候性がありますので、屋内外を問わずご使用いただけます。
  • 塩ビフィルムの製法や原料により、屋外耐候性に優劣があり、通常の、次の3つのグレードにわけます。
    • 長期 屋外耐候性5~7年
    • 中期 屋外耐候性3~5年
    • 短期 屋外耐候性3年未満
  • マーキングフィルムの中には屋外耐候性7年超のものもあります。
屋外の水平面
  • 屋外で受ける日射量を水平面と垂直面とで比べると、一年を通じてみれば水平面の方が多くなります。
  • 日射量が多いと劣化も早くなりますので、水平面に貼る場合は、より屋外耐候性の長いフィルムを選ぶ必要があります。
ステッカーを剥がすことが想定される場合
  • ステッカーの内容が変更になる可能性がある場合や、被着体を譲渡する場合等、ステッカーを剥がすことが想定される場合は、再剥離性のあるフィルムをお選びください。
  • プリント系ステッカーの場合、再剥離性のあるフィルムは各種お選びいただけます。
  • カッティングステッカーの場合、再剥離性のあるフィルムは入手が困難です。インクジェット用のフィルムで再剥離性のあるものに、ご希望の色をベタ刷りしてカッティングステッカーを製作いたします。
水中や湿気の多い場所
  • プールやサウナなど、水中・高温多湿が常態の環境では、水の浸透により剥がれることがあります。
  • 塗装(プールの場合)や銘板等、他の方法をご検討ください。弊社では塗料や銘板も扱っておりますのでご相談ください。
高温が常態の場合
  • 連続使用に耐えるのは一般的に65°以下です(フィルムにもよります)。
  • それ以上の場合は、塗装や銘板等、他の方法をご検討ください。弊社では塗料や銘板等も扱っておりますのでご相談ください。
薬品や溶剤がかかるおそれがある・薬品や溶剤が気化した雰囲気
  • ほとんどのフィルムは耐化学薬品性は備えておりますが、薬品・溶剤の種類やかかる量、濃度等によっては侵されることも想定されます。
  • フィルムのサンプル(一部有償)をお送りしますので、事前の試験をおすすめします。
屋外の窓ガラス
  • 直射日光の当たるガラス面への広範囲の貼付けは、ガラスの熱膨張率の差からガラス割れの原因になる場合がありますのでご相談ください。
  • また、鋼板等に比べると粘着力は低下します。清掃時にステッカーの端部を強くこすらない等のご配慮をお願いします。
    • ガラスの内側から貼るという方法があります。外側に比べると内側は比較的汚れが少なく、清掃の頻度は少なくてすみます。
  • 窓ガラスに大きく図柄を入れる場合は、シースルータイプ(ワンウェイタイプ)のフィルムもあります。
高水圧洗車を使用する場合
水圧により、端面から剥がれるおそれがあります。
床面
  • 通常のフィルムでは、摩擦や剥離をおこしたり、滑って転倒するおそれがあります。
  • 床面用のフィルムをお選びください。